『ぼっち・ざ・ろっく!』を観て

ありがとう、はまじあき先生。ありがとう、CloverWorks……。
※ ネタバレ全開で書きます

この記事は、私がアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を観て思ったことを書き散らしていきます。

私の立ち位置

私は(Amazonの履歴が正しければ)2020年7月頃に『ぼっち・ざ・ろっく!』の原作を知って単行本で読み始めた人間です。
ギターやライブハウスなどといった知識は皆無、原作漫画を読んでいるときはぼっちちゃんの成長物語というところにフォーカスして楽しんでいました。

アニメ化が決定したときも、ぼんやりと「どんな音楽が聴けるのかなぁ、楽しみだな」くらいの気楽な気持ちで構えていました。
結果、えげつない作品が投げつけられて無事に爆発四散し、今こうして書いてます。

アニメーションが純粋に面白すぎる

まず、けろりらさんのキャラデザが良かったですね。原作らしさを残しつつ素晴らしい仕上がり……。

デフォルメされた動きと神作画神演出の掛け合わせによる、緩急ある表現も良かったです。
虹夏ちゃんが腕をグルグル回してたときの表現とかリョウさんを虹夏ちゃんが追い回すときの足の表現とか、そういう漫画的な表現もありつつ、自販機の前の振り返りとか突くように神作画神演出があって、そのたびに「うおぉお」と盛り上がれるのです。
私は虹夏ちゃんの左右に振るような身体の動きが好きなのかもしれない……。

あと原作以上に壊れていたぼっちちゃんの作画、良かったですね。電子音になったり絵画になったり低ポリゴンになったり、大忙しで面白かったです。
なまじっか原作でも壊れがちなので、アニメで盛大に壊されていても違和感がないのも良かったですね。3DCGになって吹き飛ぶのを考えた人は天才だと思います。

各話1回くらいは出てくる実写パートも楽しみの1つでした。
たこせんは最後の写真撮影のシーンまでは手書きだと思っていましたし、森の中のめんだこぼっちちゃんは可愛かったです。めんだこ虹夏ちゃんも合わせて商品化お願いします。
作中に写っていた証明写真ぼっちちゃんが実際に証明写真として印刷されたものを使っていたというのも、あとで知って笑いました。クオリティ追求に余念がなさすぎる。

それと「これ何のアニメだっけ?」ってなる瞬間も良かったですね。なんで私は、ブラックホールの説明を受けているんだろう……。

Twitter上で制作陣の方々が舞台裏をツイートしているので、それを追いながら観直すのも面白そうです。

登場人物の魅力

1日の大半をギターの練習に費やしている努力型の天才であるぼっちちゃんを始め、登場人物の魅力も見逃せません。
バンドマンとしての先輩であり大人の目線から導いてくれる廣井さん、ぼっちちゃんを見つけてその陰キャ具合にもめげずに声をかけてくれる虹夏ちゃん、その陰キャ具合を受け入れて活かすよう促してくれたリョウさん、純粋に実力を褒めてくれる喜多さん、実力を認めているけど気づかれてない星歌さん……。
これだけの人に囲まれているぼっちちゃんを見ると、ホントに奇跡的な出会いの中で生きているなぁ、という感覚になります。良かったね、ぼっちちゃん……。

廣井きくり可愛すぎる問題

話は完全にズレるんですが、アニメで見て廣井さんの可愛さに気づきました。いやホント改めて見ると廣井さん好きだな……。
間違いなく酒クズですしクズエピソードに枚挙の暇がありませんし、和式便所にスマホを落とす人ですけど、映像として一挙手一投足を見せられるだけで何故これほど愛おしくなるのか、と首を傾げています。
声優さんの演技や作画の芝居など、諸々とあるのかもしれませんがアニメの廣井さんは間違いなく可愛いし随所でカッコいい! SICK HACKのライブも最高なのでじっくり観直したい気持ちです。

常に酔ってるので、お酒取り上げて素に戻る様も見てみたいですね……。

声優さんの演技がすごい

とにかく全員がハマり役でしたね。特に鈴代さん、一言目を聞いた瞬間に「うわ虹夏ちゃんだ!!!!!」ってなるくらいの度合いでテンション上がりました。
そして青山さんはサジェストに天才って出るのも納得の天才。あの電子音が加工無しで再現性があることを知ったときは心底ビビりました。
声優さんすげー、という月並みな感想しか出ません。原作5巻を読んだときも、声優さんのおかげで以前より格段にクリアな原作を味わうことができてありがたかったです。

ライブ、最高!!

バンドのアニメなので当然のようにライブはあって、そこがまぁ常に期待を上回ってくれてメチャ嬉しいんですよね。

STARRYライブオーディション

初っ端から曲とは無関係な感想になるんですが、とにかくライブの描写が現実で驚きました。
まず動きが細かい、影が現実すぎる、ギターヘッドなど色々な視点で見せてくるのが臨場感を覚えて否応なくテンションが上がります。
思わずCGを疑ったのですが、観る限り手書きで、確か制作陣のどなたかのツイートで手書きって言われてたような気がするので、『チカっとチカ千花っ♡』でも話題になったロトスコープなのかもしれません。

あと個人的にかなり好きなシーンなんですが、曲に合わせてペットボトルの水が揺れるところが天才的でしたね。ライブの臨場感をさらに高めてくれました。いやこれライブ前のオーディションのはずなんですけどね、最初からフルスロットル過ぎる……。

STARRYライブ本番

1曲目の『ギターと孤独と蒼い星』は、素人の私が聴いても「どこか外れていて気味が悪い」という感想を抱かせましたし、怖かったですね。原作を読んでライブの結末を知っているはずなのに、ヒリヒリとした焦燥で手に汗を握りました。

2曲目の『あのバンド』は、入りのぼっちちゃんに鳥肌が立ちました。一気に場を書き換えた掻き鳴らしは虹夏ちゃんが「ヒーロー」と呼ぶのも納得のカッコよさで、思わずホッとしました。

あとこれは曲の感想からはズレますが、このライブを観る前に!!! ぜひ!!!! COMIC FUZか単行本5巻で虹夏ちゃんと星歌さんの話を読んでほしい……!!!!! このライブへの解像度が劇的に上がるので……!!!! ネタバレ記事を読んでる人にこのライブ観てない人いないと思うんですが、もし読んでなかったら読んで、読んでたらこれから観るぞーって人に一言伝えておいてくださると……!!
COMIC FUZのリンクを以下に貼るので、未読の方はぜひ読んでください! 会員登録して『5巻 特別編「星に手向けるあいの花」』のリンクを押下すれば読めるはずなので!!! よろしくお願いします!!!
https://comic-fuz.com/manga/72

文化祭ライブ

1曲目の『忘れてやらない』の入り、ギターが跳ね上がるように掻き鳴らされるところはカッコよすぎて諸手を挙げて喜んでしまいましたね。虹夏ちゃんが頭の上でドラムスティックを打ち合わせ、喜多さんが緩く拍手を入れるところも最高です。
本当に楽しそうに歌っていて、今までのSTARRYでのライブ周りで硬い表情を見せていた結束バンドを見ていた後だと、それらを乗り越えてここまで来たんだなと感慨深い気持ちになりました。その様がすごく記憶に残っていて、多分今の結束バンドの曲の中で一番好きかもしれません。今も『忘れてやらない』を聴きながら書いています。
あと「何回だって」のところの喜多さんの首振り笑顔が可愛すぎる。反則だと思います。
最終話のライブ幕開けにふさわしいポップな曲調も良くて、実際にライブの場にいるかのようなハイテンションになってエアペンライトを振り回してました。

2曲目の『星座になれたら』は、結束バンドの結束感が如実に現れた1曲だったと思います。
トラブルに対してアドリブで場を繋ぎ、さらにアドリブで引き継ぎ、それを理解してリズム隊も合わせていく、最高という他ありません。

幻の3曲目はぜひ、2期でやってほしいですね……。

派生コンテンツも面白い

『ぼっち・ざ・らじお!』は派生コンテンツの中で一番聴いています。青山さんが陰キャを炸裂させた面白ぼっちトークから始まり、週替りで他の結束バンドメンバーとトークしているのが楽しいですね。ここで延々とスパムバーガーを推し続けたら、遂にアニメ本編に無関係なコラボが発生したときは笑いました。私も便乗してスパムバーガーを食べに行きましたが、美味しかったです。

それと、このラジオを聴くなら『ぼっち・ざ・おーでぃしょん!』は必聴です。オープニング曲やエンディング曲として出てきてもおかしくないほどのクオリティの曲がサラッと紹介されます、こわい。個人的に好きな曲は『ひとりぼっちのギターヒーロー』と『まわる世界と日々ぼっち』、『あっちこっちぼっち』と『イマジナリーロックスター』です。直接聴きに行けるリンクを貼ったので、ぜひ聴いてみてください。

公式弾いてみたも見逃せません。編曲を担当された三井律郎さんが、実際に劇中曲を弾く動画なのですが、とにかくカッコいいので観てみてください。キーボードすらろくに触ってないのにギターが欲しくなりました。
特に『星座になれたら』が良くて、自分で1弦を切ったのに頭抱えてるところで笑い、アニメで観たおにころボトルネック奏法が再現されている凄まじさに痺れました。三井さんのツイート曰く予備の1弦を使い果たしてしまったそうですが、そりゃ切った瞬間に頭抱えますよね。プロのギタリストでさえそうなるほど超絶技巧を、土壇場で成功させたぼっちちゃんの異才は恐ろしい……。

2期をぜひともやってほしい

とにかくアニメ制作陣のこだわりと熱意がすごくて、2期もやってほしいという気持ちしかありません。
編曲については今まであまりわかっていなかったのですが、ほとんどの楽曲をお一方が担当されていて、その方のインタビュー記事やツイートを読むことで編曲への理解が深まりました。購入したCDの歌詞カードを読んでも実際に聴いても、ホントに結束バンドって感じで、作詞や作曲の方々にも感謝しかありません。

あまりに最終回の完成度が高いので、「これで終わりでもそれはそれで……」という気持ちは少しありました。最後の最後に結束バンドメンバーのモチーフになっているアジカンの曲、しかも第1話と最終話のタイトルの元になっている曲のカバーとか、胸熱が過ぎるじゃないですか。
でもそれはそれ、やはり2期をやってほしいです。
この作品が、何年も準備されて作られたものというのは承知の上で、何年でも待つので2期をやってほしいですね。ホントに何年でも待つので。

では最後に、私が一番好きな『忘れてやらない』と12月28日にリリースされたフルアルバムのSpotifyリンクを掲載して、〆とさせていただきます。
改めて本当に、素晴らしい作品をありがとう……。

忘れてやらない • 結束バンド - Spotify
結束バンド - Spotify